輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

うえすぎけんしん

上杉謙信

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《上杉謙信(うえすぎけんしん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 129,102 字 · 256 頁

青空文庫

……なぜなればです。もし謙信公の御胸中に、使いの口上とはべつな謀略があるのに使いするなりと、使者自身が知っていたら、敵中にまかり出て、敵の国主に対し、そう恬然たる虚構を顔に持ちきれるものではありません。どこかに人間の正直なところが出てしまいましょう。それをまた、お見のがしあるようなあなた様でもないことは、謙信公以下、越後の者共、みな心得ぬいておるところでもあります。――たとえば、今年の春、謙信公のお留守に際し、またここ連年、越後遠征に、その疲弊せるを窺い、突然、約を破って、国境の割ヶ嶽を奪取なさるなど、猫にしても、狡い勘の長けた猫でなければ為し能わないことですからな」

もう一度、このあとで下野に、哄笑させる遑をおいていたら、信玄の左右の者か、或いは階下の諸将などが、彼の頭へ忽ち土足や唾を加えたかも知れなかった。

しかし信玄はさすがにそれを苦笑で留めていた。かえって万一の事を庇うように、下野の言が終るか終らぬうちその巨躯をぎしと床几から上げて、

「この舌長奴を、雲峰寺の堂衆にあずけ、信玄が凱旋の後まで、慥と、穴倉へでも抛りこんでおけと申せ。その余の輩もすべて獄に下げろ。