輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

せかいかいきじつわ「じょぶん」

世界怪奇実話

牧 逸馬

線上閱讀牧 逸馬《世界怪奇実話(せかいかいきじつわ「じょぶん」)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 251,305 字 · 498 頁

青空文庫

そこへ割り込んで行って、不潔な水上生活者の悪臭のなかで朝を待つのはたまらないというのである。それに、土地の貧乏人どもが無礼な好奇心に眼を光らせて集まって来て、一挙一動看視的に見物されるのもやり切れない。悪童は石を投げたりする。そう言って夫人は、美しい眉をひそめた。むしろ遠く錨を投げて流れに乗っていたほうがいい――何によらず、彼女の一言はエイメ号の法律だ。この場合だけ例外である筈はない。デュポン船長も折れて、そこで、エイメ号は其の儘沖懸りのようにラインの急流に停船して錨を入れたのだが、このジャネット夫人の主張は、実に自殺的――自殺であるとすれば――行為だったと言っていい。デュポン船長の常識的指令に従って岸に碇泊していたら、この事件は存在しなかったに相違ない。

夕陽が落ちると、空模様が変って来た。急に風が出て、暴風雨を予告する気圧だった。その間に、エイメ号の食堂には明々と灯が這入って、主客は、何時ものように歓談の裡に晩餐を終っていた。船が大きく畝って、皆あまり食が進まなかった。酒杯にも手が出なかった。食後、一同は思い思いに船中に散らばって、一団は甲板椅子へ帰り、中には、食堂から直ぐ自分の船室へ引き籠ったきり、眩暈気味なのか、出て来ない人もあった。