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みやもとむさし

宮本武蔵

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 185,809 字 · 369 頁

青空文庫

「虚無僧さん、なにが面白くて、今夜は独りで尺八をふいているのだえ? 町で、もらいが多くあって、酒でも買って来たなら、わしにもすこし、酔わせておくれぬか」

御堂の床下から、首を出してこういったお菰がある、そのいざりのお菰は、常に床下に住んでいて、自分の上で暮している丹左の生活を、王侯のように下から見て、羨ましがっている人間だった。

「お……おまえは知っているじゃろう。わしがゆうべ、ここへ連れて来ておいた女子は、どこへ行った?」

「あんな玉を、逃すなんて法があるものか。今朝、おめえが出てゆくと、大きな刀を背に負った前髪の若衆が小猿といっしょに、女子まで肩にかけて、連れて行ったわ」

「え、あの前髪が?」

「悪くない男ぶりだもの。……おめえや、おれよりは」

床下のいざりは、なにがおかしいのか、ひとりで笑っていた。

公開状

一

四条道場へ帰るとすぐ、

「おい、これを鷹部屋の止り木へ架けておけ」

門人の手へ、鷹をわたして、清十郎は草鞋を解いた。

はっきりと不機嫌な顔つきである。剃刀のように、体から刃が立っている。

門人たちは、お笠を、洗足水をと、その神経へ気をつかいながら、