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しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新・水滸伝(しん・すいこでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 頁

青空文庫

「といって、どうする?」

「仕方がねえ。山じゅうの寨門を堅固に閉めておいて、てめえ、二龍山へ一ト走り行って来い」

「えっ、二龍山へ」

「そうだ。二龍山の宝珠寺にいる花和尚の魯智深へ泣きつくんだ。後々には、きっと貢物をいたします。ですから、ここんとこはどうか助けると思って、ひとつご加勢ねがいます、とな」

「合点だ」

裏山づたい、一日半。

――ここ宝珠寺の破れ本殿では、時に、三人の怪人が、三ツの曲に、片胡坐を組みあっていた。

ひとりは花和尚魯智深である。

次が、青面獣の楊志。

もひとりは、虎殺しの名のある「行者の二郎」武松だった。

このほか。――べつに山門の方にも、四人の小頭がいた。

もと孟州の牢番せがれ、金眼彪の施恩。

それに、操刀鬼の曹正。これは二龍山の下で小酒屋をやっていたあの男だ。

あとのふたりは夫婦者で、孟州は十字坡の峠茶店で、凄い商いをやっていた菜園子の張青と、その女房、母夜叉の孫二娘なのである。

これらはいずれもその後、ここに武松あり花和尚ありと知って、身の都合から集まり頼って来た者どもだった。

「……よし、わかった。おかしらたちが、何と仰っしゃるか、ま、お取次だけはしてやるから、俺について来い」