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しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新・水滸伝(しん・すいこでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 頁

青空文庫

悲心、長江の刑旅につけば、 鬼の端公も気のいい忠僕に変ること

「な、なにを仰っしゃるんじゃ。お宅さまの大旦那とは、たった今、そこの社務所で祭りの相談などして、お別れして来たばかりじゃがの」

「そんなはずがあるもンですか。弟の手紙で父の死を知り、仰天して、旅先からたったいまここへ帰って来たばかりだ」

「へえ、宋清さんのお手紙ですッて。どれどれ、そのお手紙を見せてください。……ほほう? ……これですかい。あはははは……こりゃ、宋清さんもどうかしておいでなさる」

「笑いごとではありますまい」

「いや笑わずにはいられませぬわい。現に今、さんざんご冗談をいったり、昼酒のごきげんで、お宅へ帰って行かしゃった大旦那様が、どうして死んでなどいましょうぞい」

「ほんとか。いや、ほんとであれかし」

宋江はまだ半信半疑ながら、飛ぶがごとく馳けて、わが家の古い門へ馳けて入っていた。

「や、兄上お帰りか」

出て来た弟の宋清を見るなり彼は息をはずませて。

「父上は」

「おくにおります。たったいま、よそから戻って」

「なに」

うれしかったが、しかし、腹も立って、弟の横顔をなぐりつけてやりたいほど、涙がこぼれた。

「きさま! なんという馬鹿な手紙をわしによこしたのだ。