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しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新・水滸伝(しん・すいこでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 頁

青空文庫

かねて城県から諸州へ配付された“宋江人相書”なるものはご記憶にあるはずではございませんか」

穴のあくほどじイっと宋江の顔やら風采を見つめていた秦明は、やがてのこと、がくんと肩を落して平伏した。

「いったい、これはどうしたわけか。どうして、かのご高名な宋押司が、こんな所におられたのか。……まるで夢のようだ。自分のしたことの恐ろしさに身がふるえる」

「どうぞお手を上げてください。いかにも宋江は自分ですが、それではお話もできかねる」

宋江はしいて彼を対等な一椅子につかせ、そして、城県出奔の事情から、つい先ごろ、花栄の家に身を寄せているうちの奇禍と、劉夫妻の奸計におちたことなどを、逐一諄々とはなしてゆき、その理非黒白をほぐしながら話して聞かせた。

「過ッた」と、まっ正直なだけに、秦明は、慚愧と義憤におもてを焼いて――「すぐ拙者から慕蓉閣下へ釈明しましょう。まるで事実はうらはらだ。明朝ここを放してください」

「いやまあ、そのお体では、即座にご出発は無理でしょう。まあ、ごゆるりと」

いわれてみれば、豪気な秦明も五体節々痛い所だらけである。手当をうけてつい二日は過ぎた。