輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新・水滸伝(しん・すいこでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 頁

青空文庫

行く行く見れば、兵の死骸や黒焦げの男女の死体もころがっている。あきらかにこれは戦の酸鼻であった。秦明は我を忘れて馬にムチをくれ、一気に州城の城門下まで飛ばして行った。そして城壁の下から、

「開門、開門っ。……おれだ、おれだ、城門を開いてくれ」

と、どなった。

「なにっ、秦明が立ち帰ったと」

どよめきの中ではこんな声がして、城壁の墻頭から無数な人間の首が外を覗いた。しかし鉄扉のひらく様子はない。のみならず一声の喇叭がつんざき渡り、鼓楼の太鼓がとどろくと、彼のあたまの上から奉行慕蓉の声が、こう聞えた。

「やあ人非人! むほん人めが! ぬけぬけ開門とは白々しい。またも我れらをあざむくため、その姿をば見せしよな。何条、再びその手に乗ろうか。そこうごくな、引ッとらえて火あぶりの極刑に処してくれん」

秦明は仰天して、上へ哀号した。

「閣下、閣下。何かのお間違いではありませんか。重々不覚は取りましたけれど、むほん人などとは、心外な仰せ」

「だまれ、その甲冑、その二つとない狼牙棒。馬もまたそれだ」

「それがどうしたのですか」

「とぼけおるな。一昨夜の深更、賊兵を指揮して、大胆にも、州城の内外を荒し去った賊の中に、はッきりと、なんじの馬上姿を見た者がある!」