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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 200,320 字 · 398 頁
と、すぐ座をあらためていた。
神戸三七信孝が来てひかえていたのである。信孝は、四国攻めの陣に派遣を命ぜられたので、人数その他のさしずを仰ぎ次第、直ちに出発するつもりで、これへ見えたものだった。
夕刻、城中に入ってから、まだ二刻とも経っていないまに、もう信長は、四国征伐の方策に没頭していた。
「征って参ります」
三七信孝が退ると、
「留守中の文書を出せ」
と、それを見る。
多くは、陣中でも見ていたが、なお残余の書状やら何かの文書は山のようにつかえていた。
とりわけ、彼の重大な関心は、中国陣に関するものだった。
これも、刻々甲州在陣中から、報告は手にしていたが、二月九日以来、征旅まさに七十日、そのあいだの状勢の推移は、信長の予測をやや裏切って、どうも捗々しくない感がある。
静止を知らない彼の精力は、久しぶりに還って、安土に坐ると、そこに寛ぐ心地にはならないで、忽ち、次の段階に対して、いかに戦うか、必勝を期すか、思索苦吟、寝ても枕を耳に熱うしていた。