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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 192,758 字 · 383 頁
「彦右衛門にござりますが」
「見えたか。そこにいてくれ」
「はッ。何ぞ?」
「待て。いま金奉行を呼びにやってある。その上で、用事を申そう」
秀吉はまた汗を拭く。湯上がりの体は拭いても拭いてもすぐ汗になる。が、それは一浴したためというよりも、彼の五体を駆けめぐっている血行と頭脳の活動から垂るる滴々のものだといったほうがあたっていよう。
湯殿の揚り屋といってもかなり広い。彦右衛門は板敷の一方にひかえていた。そこへ金奉行と蔵奉行が一緒に来た。
腰打掛けたまま、秀吉はすぐ訊ね出した。第一に、
「いま当城の金蔵には、いかほどの金銀があるか」
であった。
金奉行は、言下に、
「銀子七百五十貫、金子八百枚余りありまする」
と、答えた。
「彦右衛門――」
と、向き直って、こんどは彼に向って命じた。
「ある限りの金銀すべて、その方の手にうけ取って、番頭、鉄砲頭、弓槍頭などへも、洩れなきよう、知行に応じて分配せい」
「かしこまりました」
「速やかにせい」
「はいッ」
打連れて、二人が退座すると、
「蔵には米がどれほどあるか」
と、蔵奉行へ在高を問うた。
「八万五千石ほどは」
と、答えると、秀吉は、