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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 187,757 字 · 375 頁

青空文庫

秀吉が興を寄せると、

「愚老をもっていわしめれば、人生十五にして不惑、と申しとうござります」

「それはまた、早いな」

「元服がすんだかすまぬか頃の――初陣の若者どもを御覧じなされませ」

「ウム。いかにもな。十五にして不惑、十九、二十歳にしていよいよ惑わず、四十からそろそろいけなくなるか。おもしろい。……して、尊老頃の年配になるとどうじゃ」

「五十、六十は、大惑でござる」

「七十、八十となっては」

「それはもう、忘惑の境に入りましょう」

「忘惑か。ははは」

みな笑った。

夜は夜でまた饗宴であろう。病人の勝豊には、耐えきれるところではない。

秀吉が、容子に気づいて、ふと訊ねてくれたのを機に、利家から打ち明けた。

「実は、病気で臥せられていたが、われらが当城へ参ると聞き、病を押して共に一緒に来られたのじゃ。――身を顧みてはいられぬとて」

これを話の転機に、折入って――と改まりかけたのであるが、秀吉が、

「座を移そう」

と云い、ひとまず先に茶室を出たので、四名は案内を待っていた。

その間に、羽柴家の典医が見え、強ってと願って勝豊の脈を診た。そして薬湯をすすめた。

また、家臣も来て、