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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 187,757 字 · 375 頁

青空文庫

勝家はもう怒る気力もないようだった。もしここが戦場でなかったら落涙もしかねない容子に見える。ただ歎息に沈んで、今は責めを自己にたずね、

(……儂が悪かった)

と、日頃の彼になしていた盲愛が今さら、悔やまれてくる。

軍律一本の儼たる統率になければならない戦場において、端なくも、今日の玄蕃允は、日頃の叔父甥の感情を持ち出し、平常の狎れたる態度で、興亡の処決に向い、しかも、自我のわがままを押し通して、いッかな顧みもしないのである。

(困った!)

実にそう思う。臍を噛んでそう思う。

勝家の拳は膝に顫いている。

――が、若年の彼をして、そう狎れしめた者は誰か。誰でもない叔父たる自身の盲愛ではなかったか。玄蕃允の素質を愛するの余り、さきには養子の勝豊と長浜城を失い、今は、全柴田軍の運命からさらに大きな――またと取り返しのつかない機運を失おうとしているのだ。――こう思い来るとき、柴田修理勝家は、まったく誰をも恨みようのない悔恨の底に、暗然たらざるを得なかったのである。

吉田弥惣は、なお告げた。――玄蕃允が云ったという返答をである。それによれば、玄蕃允は、弥惣の切なるすすめに対し、依然一笑を酬いて、