輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 187,757 字 · 375 頁
という一語もあった。
侍中へたのむぞ、という意味であり、勝助と共に、死地にのこる者達への、思い遣りもあったにちがいない。
金幣の馬簾の下には、忽ち、三十余名、一かたまりに集まった。
これだけは、正味、名を惜しみ、主家に殉じる志の輩だった。
(ああ、柴田衆といえ、人なきではない――)
勝助は、たのもしき顔々々を見まわして、
「いざ、心楽しく、さいごを飾ろう」
と、武者一名に馬簾を持たせ、自身真っ先に立って、柳ヶ瀬村から西へ数町、橡の木山の北尾根へ駈け上った。
ここはさきに、徳山五兵衛、金森五郎八などが陣していた地点である。
四十名を出ない小勢といえ、覚悟を一つにかためて、いざ来い――となると、なお数千の兵があった狐塚の今朝方などよりも、遥かに凛たる志気も示され、凄気、敵を睥睨する概もあった。
「勝家は山へ拠ったぞ――」
「さては、さいごを覚悟し、必死の足場をとったとみゆる」
迫って来た堀麾下、小川麾下の武者輩は、さすがに、一応、戒め合った。――この頃、堂木山砦の木下半右衛門の手勢五百も、この追撃に合し、
「勝家の首はわが手に」
と、先を争って、橡の木山へ分け登って来た。