輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 187,757 字 · 375 頁
そのうちに、飾磨道の並木のうえに、ぼっと火光が映して来た。点々と、松明が近づいてくる。凍てた大地を戛々と馬蹄の音も聞えてくる。
多勢ではなかった。近臣、小姓足軽などすべてで七、八十人足らずの列。時の羽柴筑前守の入国としては軽装に過ぎるほどなものである。――が何分、その日、思いたつやいな、飛び出して来たので、扈従の臣も、顔を揃えているひまはなかったに違いない。
「オオ。お健やかそうな」
「去年よりは、なおお元気に」
「たのもしい御大将ぶり」
土下坐の民は随喜した。眼の前を通ってゆく秀吉を見てである。彼は金鞍の上にあり、これは氷上にぬかずいているが、ここにある階級の別こそ、却って民の大安心であった。国主と民の二者に、何の対立なく、民の心は国主であり、国主の心は民だった。要するに、そう二つのものは、完全なる一者の境にあったからである。
「ほ。……おう、おう」
秀吉は、馬上から、道の右を見――左を見――感声をもらしていた。
前後の松明が、彼の横顔を、赤く照らし、その口から白い息が吐かれていた。
扈従には、蜂須賀父子、生駒、稲葉、堀尾、脇坂などの部将。小姓には加藤、片桐、石田、福島などの輩。