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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 187,757 字 · 375 頁
伊勢からである。盛信父子へ伝えていう。
(御不在中、家中の岩間三太夫らが、隙に乗じて、亀山城を乗っ奪り、滝川一益のさしずを仰ぎ、一益の軍、また長島を出て、岡本重政殿を追い、峰ノ城以下、附近の諸城残らず収めて、厳に鈴鹿口を堅めて候う)
折も折だったのである。
かく聞くや秀吉は、猶予なく姫路を発した。同夜宝寺城に着、七日すでに入朝し、翌日は安土に到り、九日、三法師に謁した。
賤ヶ嶽決戦の楔子はこの日に打ちこまれたといっていい。
即ち、その日秀吉が、明けて四歳となったばかりの三法師に謁して、携えて来た春駒の玩具など種々の土産物をならべ、
「御機嫌御機嫌。おお、おうれしそうな」
と、他愛なく相手になって、やがて程なく、幼君の前を辞し、安土の一広間へ、姿を現わした時からである。
ここには、三法師付きの衆臣もい、蒲生氏郷もいた。――関盛信、一致の父子も姫路から従って来た。山岡景隆、長谷川秀一、多賀秀家といったような近国衆も詰合わせていた。
「滝川一益征伐のこと。ただいま三法師君のおゆるしを仰いだ」
秀吉は座に着くとすぐ宣言した。こんな大事を、鞠でも投るように、満座の中へいきなり云って投げたのである。