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はなもかたなも
花も刀も
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《花も刀も(はなもかたなも)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 89,364 字 · 178 頁
へ戻ったのであった。
――秋田ならいい。
平八なら、妹を預けても、大丈夫だ。そう思って、幹太郎は好きなようにさせた。
四日めに妹から手紙が来た。
――秋田さまに、楽しく江戸見物をさせてもらった。
という書きだしで、家のほうの問題についても、いろいろ心配をかけたし、力になってもらったから、会ったときよく礼を云ってくれるように、また、久しぶりで兄上の元気なようすを見ることができてうれしかった、という意味の文面であった。
――家のほうのことも心配をかけ、力になってもらった。
幹太郎はその文句が気にかかった。
かやが、じつは(平八に口止めをされたからであるが)詳しいことを話さなかったので、父の死後、借財のために土地や家屋敷まで取られそうになっているという事情は知らなかったのである。
「家のほうの問題とは借財のことだろう」
彼はそう呟いた。そのくらいの見当はついたが、それほど切迫しているということは、想像がつかなかった。
「まあいい、よほど困ればそういって来るだろう」
そう呟いて、彼は妹の手紙を巻いた。
その月の末――
師範の佐藤市郎兵衛が辞任し、幹太郎が正師範になった。