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ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《随筆 新平家(ずいひつ しんへいけ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 213,575 字 · 424 頁
だから、といっては、三段論法じみてくるが、「新・平家物語には、きまった主人公はない。しいていえば、主人公は“時の流れ”である」と、作者のことばの中にも書いたことだった。
しかし、二百三十余回までの構造のあとを振返ってみると、やはり時の流れの中には、自然なる主人公的人物が、時代時代に屹立しており、その人間を中心に歴史を見、裏を見、周囲の変転を書くという従来の小説手法もいっこう脱け出していなかったことはわれながら否まれない。その意味でこの小説はちっとも新様式でもないし、読むにむずかしいものではない。むしろ、どうしたら解りやすく、平安朝末期から、平家へ移り、また源氏色の時勢へと、世間が物音立てて、押し流れて行ったか、また、その約半世紀の人々の浮き沈みが、八百年後の今日の読者に、親しく読み酌まれるであろうかに、ぼくはだいぶ気をつかって来た。歴史小説を書くばあい、何よりは“おおかたの人にも分かる易しい歴史小説”であることは、なかなか、むずかしいことだと思った。
この回までの骨ぐみを、時代的に大別してみると。
保元、平治の乱。――平家以下地下人武者の勃興。