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ずいひつ しんへいけ

随筆 新平家

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《随筆 新平家(ずいひつ しんへいけ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 213,575 字 · 424 頁

青空文庫

門司・小倉あるきの巻

ヒゲでない稗搗節を教えてあげると巻舌でいう。ぼく、畏まって数回御教授をうける。この図、杉本画伯のスケッチが挿絵となって編集部へ送られた由なるも、ぼく、週刊にふさわしからずと異議を申したてて、ようやく没にすることを得た。それは、帰京後のこと。

翌朝。

小倉行きの汽車時間まで、大急ぎで、旅館の縁で散髪をしてもらう。東京以来、耳にかぶさっていた頭髪が鋏に落ちるのを見ると長サ三寸。(二六・七・一五)

門司・小倉あるきの巻

この日からさき二、三日の間は、朝日西部本社のHさんとIさんが、縄張りウチとあって一行に加わり、一行の世話係をひきうけて大いに務めてくださる。Hさんは、昨夜御紹介いたしたヒゲツキ節の宗家で、別名、無尽会社の社長さん。Iさんは俳人なれどカメラ風土記では、孫悟空的な脚歴のある人。――なにしろ御自身たちの領内をば、こう二人の社長さんと悟空子との案内と承ったので、一行、気づよいこといわんかたなし、である。

別府を十一時十分の列車、門司駅着、午後二時半ごろ。

関門海峡は、この日も北九州名物といってよい冬風の波騒だった。これあるがために、名物の河豚も一だん名声を高めたのかもしれない。