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ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《随筆 新平家(ずいひつ しんへいけ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 213,575 字 · 424 頁
四国白峯の巻
小泉八雲の手紙など見せられる。西欧美術や図書の蒐集家として一見識を説く。ぼくにはよく分からない物ばかりだが、マルクスの書翰まで示されたのには、驚目された。書架のもの、そこここの彫刻、絵画、御亭主は、神戸の一奇珍にちがいない。
もう、おそい阪急線の車中、がらんとして、寒々しいが、居眠るにもよし、空想も気まま。健吉画伯は、寝るのが上手だ、Oさんは、また手帖の旅程表に首をひねる。「あしたは、高松行きですが、朝、早いですよまた。起きられますか」と、左右へつぶやく。だが、左右のくたびれたような顔、どれもこれも、車体と共にゆらゆら、ひとりも、答えはない。
〔付記〕この稿、四国、九州、厳島などの全旅行のあとを書くつもりのところ、旅情童心、とかく、道くさ紀行に終わり、ここでひとまず筆をおきます。文中、各位への蕪言とあわせ、おゆるしを。余稿、筆をあらためて、他日、また。(二六・二・二五)
四国白峯の巻
“お断り”から先に書く。
これは旧冬、伊勢、志摩、南紀、熊野、那智、大阪、神戸界隈までを誌上にすませた先の史蹟紀行の後半を成すものである。
歩いたのは十二月の中旬で、神戸から先は四国、九州地方だが、それでも雪を見たり凩に吹かれたりの、冬旅だったことに変りはない。