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ずいひつ しんへいけ

随筆 新平家

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《随筆 新平家(ずいひつ しんへいけ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 213,575 字 · 424 頁

青空文庫

また当時の高倉帝やそのほかの宮方だの女院が見たらなんと羨むことであろうかと思ったりした。もし客の一人に、西行法師でもまじっていたらきっとほほ笑ましい一首を詠じて去ったろうにと思われたことであった。

海外の読者のことには、つい一度もふれなかったが、思いがけない遠隔からもおりおり感想をもらっている。最近ロスアンゼルスの外川明氏から、羅府新報の切抜きを送ってよこされた。同紙の無孔笛という一欄には、「新・平家」の読後感が幾度も載ったそうである。切抜きの一文を、また切抜いて、掲げさせて貰うと▼「新・平家」を読むことを、同僚のKさんに感づかれてしまい、空便で週刊朝日が入荷すると、御自分が見ない先に、まず私に貸与される。K氏がその時ほどありがたい人になることはない。▼それで「新・平家物語」は、多分アメリカの読者中で、私が一番早く読んでるものとうぬぼれている。べつにたれへもおすすめはしないが、「新・平家」の記事は、本欄でも幾度も書いた。本屋で訊いてみると、同好の士が急速にふえている。――とあって、作家が恐縮にたえない程な熱心さである。海外にあって読まれると、また自らべつな郷愁を詩として感じられるのであろうか。