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ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《随筆 新平家(ずいひつ しんへいけ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 213,575 字 · 424 頁
一路、自動車は、高松市へ引っ返す。ジープが道づれなので、こっちも快速が出る。所要およそ一時間半。栗林公園へまわる。
杉本画伯は、ここの常設美術館の建築を参考に見てゆくという。名古屋市でもいまその懸案があるための由。ぼくらはお先に出て公園を逍遥する。ここだけは、戦災のあとなし。京都の桂離宮と、どこか造庭の手ぐちが似ている。桂離宮もほんとは小堀遠州の造庭ではないから、桂式とでもいうのだろうか。
旅館川六へ、ひとまず帰る。みな、お腹がへっているのと、これから屋島、檀ノ浦をひかえている時間の忙しさに、一つ寄せ鍋を囲みながら、宿のマダムを大勢して「御飯」「御飯」「御飯」とお給仕の総攻めにする。
寄せ鍋、煮えている間がない。
支局のH氏、高松NHKの人、郷土新聞の記者たちなど、この間に、出つ入りつ。電話口では嘉治さん忙しそうな声。何もかもおよそに打切る。そして以前のごとく自動車へ分かれて乗る。
屋島のケーブル駅に着く。いま出たばかりの後であった。次までの三十分間を、陽あしを仰ぎながら惜しむ。駅長さんの好意で、臨時が出てくれた。地表、駅の屋根、たちまち眼界を沈んでゆく。