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ずいひつ しんへいけ

随筆 新平家

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《随筆 新平家(ずいひつ しんへいけ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 213,575 字 · 424 頁

青空文庫

鬼怒川から山王越えの記

清盛が厳島への近航路として開鑿した遺業の地で、ここにも清盛塚がある。こんどの旅行中、いろいろお世話をかけた各地の方々に、心からお礼を申しあげる。(二六・七・二九)

鬼怒川から山王越えの記

はしがき――週刊本誌の方で、さきに、「新・平家物語」の史蹟歩き数回を掲載したことがあります。幸いに、続稿を待つなどといわれ、ぼくにはもとより有益な旅だし、有益以上、仕事の息ヌキにもなるところから、紀州、四国、九州、上方地方にひきつづき、その後また、会津北越巡り、伊豆半島散策、それから伊那、木曾谷、飛騨、富山など、おりあるごとに清遊濁遊をかね歩いておりましたが、紀行文の方は、帰京後いつも約束をたがえ、頬かむりを続けてしまいました。

ここを品よくいえば“いつか筐底の古反古になん成りけるを――”というわけなんです。けれど、別冊編集子はなかなか諦めない。時期は遅れたが、それでも書かないでいるよりは、ましですぞ、としきりにいう。

そういわれると、そんな気もして、六菖十菊のうらみは覚えながら、とにかく書きました。しかしはなはだ陽気のズレた「御不沙汰原稿」たることは、どうしようもありません。