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ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《随筆 新平家(ずいひつ しんへいけ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 213,575 字 · 424 頁
その健吉さんをつかまえて、車窓談は一としきり、本誌の“日本拝見”でもうすんでいる名古屋雑感になっていた。
「ひと口にいうと、名古屋は途方もなく平べったい都市だな。その平べったい名古屋に、例のお城が失くなったのは、へんに淋しくない?」と、ぼくがいえば、健吉さんは言下に、
「そうです。名古屋のヘソが失くなったようなもんです。名古屋のヘソは、あの象徴でしたからね」
と、いかにも残念そうである。
例の新設中のテレビ塔では、中京人のこの寂寥感は、到底、癒やしきれるものではないらしい。
しかし春海氏にいわせると「名古屋は焼け効いがあった」そうである。「東京は戦後の道路政策に無能だったが、名古屋を見給え、百メートル道路など、道路だけは東洋に冠たるものにしたではないですか」とある。
それもだが、ぼくが感心したのは、鶴舞公園の図書館だった。いったいに、図書館というと、どこも陰鬱で閑休地域みたいだが、百パーセント閲覧者を容れ、尺地もないほど活用されているのを見た。殊に児童閲覧室の風景がじつによかった。というと、健吉さんは、わが家のことのように眼をかがやかして、
「管理者が熱心なんです。