輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ずいひつ しんへいけ

随筆 新平家

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《随筆 新平家(ずいひつ しんへいけ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 213,575 字 · 424 頁

青空文庫

梅雨照りや煤いと古き駅の汽車

そんな小駅が幾つも窓外を過ぎ去ってゆく。

健吉さんが突としていう。

「この間、義仲寺をスケッチに行ったとき、ぼくも一句作ったけれど、あれどうですか」

「どれどれ、どんな句」

「義仲寺にて、と註釈を付けたいですがね。――青葉光みめよき孕み猫悠然――ていうんです」

「青葉光はおかしい。みめよき孕み猫は捨てるに惜しいが」

などとその一句を講評まわしにまわして、とうとう、皆で次のような句に合作してしまう。ただし、句の著作権は原作者のものとする。

苔の花敷きてみめよき孕み猫

「まあ、この程度なら、句といえましょうかな」

と春海宗匠は重々しくうなずいた。

伊吹山らしい山影がうっすら遠くに見え始める。関ヶ原附近である。この辺の史蹟群は、いつ通過しても、何か暗鬱な気流が感じられる。関ヶ原の役を始め、平治の乱や今昔物語に出て来る話など、どれも一様な暗さを土壌に残しており、明るい話というのが少ないせいでもあろうか。

垂井駅あたりから窓外を見まわして、ぼくの頭にも幾つかのそれらの史話が思い出されていた。平治の乱の後、少年頼朝が父のみよりを尋ねて行ったという“青墓ノ宿”というのが、山畑の片隅に、白いペンキ塗の杭に書かれてあった。