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ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《随筆 新平家(ずいひつ しんへいけ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 213,575 字 · 424 頁
創意といえば、古典がすでに創意と史料との継色紙である。宇治川先陣争いも、ずっと後の承久年間、北条泰時が宇治攻めのときにあった話で、義経の上洛のさいの事ではないと、学説をなす人もある。
だが一方ではまたこうもいう。それはしいて仮説を立てるものである。佐々木・梶原の先例を、承久の乱の戦士が後に真似たのであって、やはり従来の先陣争いの方が正しいのだ、と。
およそ、こういう論になると、きりがない。また専門家は、仮説は仮説ですみ、余白は余白のまま放置しておける。そこが文学とちがう。
熱海にいても、つい近くの伊豆山神社には一度も行っていない。頼朝と政子を書いたころには、九州や裏日本の平家村などよく歩きまわっていて、つい来そびれてしまったのである。
桜も終りころ、土地の人に誘われて、いわゆる伊豆御山、走り湯権現へのぼってみた。不便は唯一の保護法である。熊野新宮や本宮などより、はるかに山は荒れていない。
熊野をひきあいに出したのは、梛の大木を見たからである。新宮のは巨きくないが、ここのは喬木であり、四、五幹もそそり立っている。古典にも見えるが元来、南方系の樹木ではないかとおもう。