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あらくれ

あらくれ

徳田 秋声

線上閱讀徳田 秋声《あらくれ》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 119,451 字 · 236 頁

青空文庫

川西は晩酌をやった後で、酒くさい息をふいていた。工場では皆な夕方から遊びに出て行って、誰もいなかった。

「そんな腕を持っていながら、名古屋くんだりまで苦労をしに行くなんて、余程可笑いよ」

川西は、傍に附絡っているお秀をも、湯へ出してやってから、時々口にすることをその時もお島に言出した。

「ですから私も熟々厭になって了ったんです。あの時疾に別れる筈だったんです。でもやっぱりそうも行かないもんですからね」

「小野田さんと二人で、ここでついた得意でも持って出て、早晩独立になるつもりで居るんだろうけれど、あの腕じゃまず難しいね」

「そうですとも。これまで散々失敗して来たんですもの」

「どうだね、それよりか小野田さんと別れて、一つ私と一緒に稼ぐ気はないかね」

川西はにやにやしながら言った。

「御笑談でしょう」お島は真紅になって、「貴方にはお秀さんという人がいるじゃありませんか」

「あんなものを……」川西はげたげた笑いだした。「どこの馬の骨だか解りもしねえものを、誰が上さんなぞにする奴があるもんか」

「でも好い人じゃありませんか。可愛がっておあげなさいまし。私みたような我儘ものはとても駄目です」