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せかいかいきじつわ「じょぶん」
世界怪奇実話
牧 逸馬
線上閱讀牧 逸馬《世界怪奇実話(せかいかいきじつわ「じょぶん」)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 251,305 字 · 498 頁
これは、前に出て来て、あの夢を見た大工だが、二十五歳、オウオソ町の 406 East Comstock st. というのに住んでいる。
「おう、これは兄弟ロスリッジ、いいお天気で、結構な日曜ですな。少し寒いが――」
呟くように、ホテリングが言った。
一しきり、天候の話しが続いた。このところ好晴だが、じっさい此の二、三日、急に寒気が増して来ていた。それから、ホテリングとロスリッジと二人の間に、同じ大工として仕事の話題が持出された。教会の事務や、銘めいの役目のことなどもふたりの口に上った。何気ない会話だ。牧師のジェイムス・W・フライ師―― The Reverend Mr. James W. Frye ――も加わって、礼拝の時間を待つ暢気な親密な、ストウブ会議だった。
其の時も、後でも、少女ドロシイの暴行惨殺事件に関連しては、教会では一言も話しが出なかった。
礼拝の時刻が、来た。雑談は、静かにこわれた。フライ牧師は、聖壇の上の正規の位置に就き、ロスリッジは合唱隊に加わる。祈祷が唱えられ、讃美歌の声が上る。何の変哲もない、空気の冷たい朝の教会だ。ホテリングは、補祭として最後のつとめである。