輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
ごべんのつばき
五瓣の椿
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《五瓣の椿(ごべんのつばき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 149,721 字 · 296 頁
「紅い一枚の椿の花片」とまた彼は呟いた、「いったいなんの意味だ、そんなに若く、縹緻も人一倍いいという娘が、どういうわけで二人の男を手に掛けたんだ、――椿の花片はなんの意味だ」
駕籠が停り「着きました」という声がした。草履を揃えたのは、迎えに来た上総屋の七造であった。街はもう黄昏が濃く、眼の前にある料理茶屋の門口にも「かね本」という掛け行燈に火がいれてあった。
「女はいるだろうな」
「大丈夫です」と七造が云った、「どうぞ」
「駕籠屋は待たせておけ」
門口をはいると土間で、それが向うまで続いており、右側に部屋が並んでいた。田舎ふうの造りだろう、七造は土間をずっといって、端から一つ手前の障子をあけた。――そこは四帖半の小部屋で、行燈が明るく、手焙りの側に中年増の女が一人坐ってい、千之助を見るとうしろへさがって手を突いた。千之助はあがって、刀を右に置きながら坐った。
「辞儀には及ばない、楽にしろ」と千之助は云った、「おまえ門前仲町の『岡田』の女中だそうだな」
「はい、『岡田』ではつるといってますが、本名ははな、年は二十六でございます」
「手短かに話してくれ」
「このうちに妹が奉公しているもんですから、今日はあたしの休み番なもので、ちょっと用もあって遊びに来たんです、妹はここではお初と云ってますけれど、本名は」