輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
ごべんのつばき
五瓣の椿
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《五瓣の椿(ごべんのつばき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 149,721 字 · 296 頁
「わたしもばかだったんです」おつるは鼻の詰まった声で云った、「でもどうしてでしょう、こんなときになると女は、みんな同じようなことを云いますわね、しょせんあたしがばかだったって、……おかしなものですよね」
おつるはそのとき十五歳だったという。常陸のくにのなんとかいう山里から奉公に来て、半年と経たないうちに、女中部屋へ忍びこまれた。その部屋にはほかに三人、飯炊きの女と下女と、小間使が寝ていた。騒げば難はのがれたであろうのに、その三人に気づかれては大変なことになる、という気がして、声も出なかったし暴れもしなかった。
田舎で十五まで育ったのだから、情事についてはかなり詳しく知っていた。もちろん見たり聞いたりしただけで、具体的な経験もなし、躯もまだ女にはなっていなかったが、これがあのことだと思い、幸不幸の分れめだと思った。
――田舎ではそうなのだ。
一度でもそういうことがあれば、二人は夫婦になるときまっていたし、男にその気がなくって、いたずらにされたのだとすると、女は泣かなければならないのだ。
三
常陸は気の強いおくにぶりだという。そうばかりともいえないが、おつるは気の強いほうであった。