輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ごべんのつばき

五瓣の椿

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《五瓣の椿(ごべんのつばき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 149,721 字 · 296 頁

青空文庫

六の平手打ちは激しいもので、蝶太夫の頬が白くなり、それがしだいに赤くなった。六は一升徳利を取って、自分の茶碗へたっぷり注いだ。

「勘弁してくんな師匠」と六は柔和な声で云った、「おらあこのごろこらえ性がなくなっていけねえ、痛かったかい」

「こんなまねをして、おれがちぢみあがるとでも思ってるのか、六――」と蝶太夫がしめっぽい調子で反問した、「やきがまわったな、おめえはやきがまわっちゃった、まえにはそんなやぼなまねはしなかった、上方へいって悪い食い物にでもあたったんだろう」

「そんなところだろう」六はおとなしく微笑した、「自分でもこらえ性がねえのに驚いてるんだ、なにしろすぐにまた江戸を売らなきゃあならねえ始末なんだから、――ときに五十両はいつもらえるね」

「もういちど横っ面を張るか」

「とんでもねえ、ありゃあおれのしくじりだ、勘弁してくれって云ったじゃあねえか」

「もういちどやる気はねえか」

「こっちの手も痛えからな」と云って六は声をださずに笑った、「それより仲次郎師匠のところへゆくほうが話は早そうだ」

蝶太夫は黙った。

「七年めえ、うん、ちょうど七年めえだ」と六は一と口飲んで云った、「そのころ岸沢で、大師匠のたて三味線を弾いていた仲次郎が、むりな喧嘩を売られたうえ、大事な右の腕をぶち折られた、骨は接いだが撥は満足に動かねえ