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よせ
圓太郎馬車 正岡容寄席小説集
正岡 容
線上閱讀正岡 容《圓太郎馬車 正岡容寄席小説集(よせ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 147,226 字 · 295 頁
その頃、圓太郎は新福富町の四畳半ひと間きりしかない自分の部屋で、豆絞りの手拭で鉢巻をし、片肌ぬぎで鉄槌を振りまわしていた。一升桝が七十四個、行儀よく前へ並べられていた。ひと口に七十四個というが、七十四個の一升桝はなかなかの壮観であり偉観だった。
一斗桝ってのは一升桝の十倍だ。
理屈ではそうとわかっていても、実地に並べてみないことにはトックリと肯けるものでない。そこで圓太郎は心やすい荒物屋へ行って借賃を払い、これだけ借りてきたのだった。
借りてきた一升桝を十個ずつ、ズラリと彼は四方へ並べてみた。たちまち一升桝十個ずつで取り囲まれた万里の長城みたいな正四角形ができあがった、続いて上へも崩れないように一升桝を十個ずつ四隅へ積み上げた。見上げるような高さだった。
よしよし。これでいい。ほくそ笑みつつ彼は寸法を測った。
驚くなかれ。縦の高さが五尺、横の長さが一間というデカバチもない見積りができあがった。じゃ、ひとつこの四角ン中へ入って仕事をするかな。正四角形の真ん中にあたるところへ入り、大あぐらをかいて圓太郎は、せッかちに鉄槌の音をさせはじめた。後払いの約束で手金を打ってもらってきた部厚な板で、まず底にあたる部分をセッセとこしらえた。