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よせ
圓太郎馬車 正岡容寄席小説集
正岡 容
線上閱讀正岡 容《圓太郎馬車 正岡容寄席小説集(よせ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 147,226 字 · 295 頁
寄席
第一部 お高祖頭巾の月
稽古
一
第一部 お高祖頭巾の月
稽古
一
「今つけてやる」
そう言ったきり、フイと師匠の雷門助六は、立っていってしまった。もうそれから二時間近くが経っていた。キチンと座ったまま両方の足の親指と親指とを重ね合い、その上へ軽く落とした自分のお尻がはじめ小さな風呂敷包みを膝の上へ載せたほどに、だんだんギッチリと詰まった信玄袋の重さに、しまいにはまるで大きな沢庵石でも載せられたかのようになってきていた。
「…………」
いかにも江戸っ子らしい嫌味のない面長の顔全体をしかめて、お弟子の古今亭今松はジッとジーッと耐えていた。
でも最前までは算盤責めの拷問かとなんとも言えない烈しい痛みだった腰から下が、もう今ではなんの感覚もなくなってしまっていた。
押しても、突いても痛くなかった。
恐らく大身の槍をプスリ通されたとて、なんの痛みももうあるまい。
肉全体が痺れてしまって、もう完全なバカみたいになりきっていた。
落語家なればこそ、この長い長い時間を、たとえ痛もうが痺れようが、ジッと耐えて座り通していられるのだ。そこらの牛屋で、東雲のストライキを怒鳴りちらして、女義太夫の尻でも追っ駆け廻している書生さんたちには、頼まれてもこの辛抱はできまい。