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よせ
圓太郎馬車 正岡容寄席小説集
正岡 容
線上閱讀正岡 容《圓太郎馬車 正岡容寄席小説集(よせ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 147,226 字 · 295 頁
三
「恐れ入ったね旦那。とっさにこの字がこう書けるなんざあ」
脇から覗き込むようにしてしきりに感心していた今松は、
「宿屋の旦那にゃ惜しい。提灯屋にしてえくらいだ」
「余計なことを言うな」
ギロリ柳美館、今松を睨んで、
「余計な口を叩いてねえで、早くひとッ風呂浴びてきねえ。この五、六日の苦労がいっぺんになくなっちまうぜ」
「違えねえ」
三
「ようござんしたねえ、今日の蘆洲の川中島車がかり。もうあれだけの修羅場読みはできませんぜ。矢玉が雨薮と飛んできて、聴いてる私たちが身をかがめたくなってきましたからねえ。昔の合戦はあんなだったんでござんしょうなあ」
白足袋の似合いそうな町家の旦那衆らしい物静かな中年の男が、湯槽の中へ肩のところまで沈めながら、板の間でゴシゴシ二の腕を洗っているヒョロヒョロとした通人のような男のほうへ呼びかけた。
「まったく。小柳が客止めになるわけでげすよ。当時まったく堪えられやせんからな。それに今日は松鯉の越後伝吉がとんだ好い。極めつけのおせんの駕訴で手に汗を握らせやしたしなあ」
「オイ今度の伯山もなかなかいいじゃねえか。まだ味はねえけれどよ。景気がいいやね。