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みやもとむさし

宮本武蔵

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 185,809 字 · 369 頁

青空文庫

二

ちょうど今が、昼飯刻でその後の半刻休みを楽しんでいるのであろう。そこらに材木をおろしている牛車の牛も涎をたらして、満身に蠅を集めてじっとしている。

伏見城の修築だった。

いつのまにか、世の人々に「大御所」と呼ばしめている家康がここに滞在しているからではない。城普請は、徳川の戦後政策の一つだった。

譜代大名の心を弛緩させないために。――また、外様大名の蓄力を経済的にそれへ消耗させてしまうために。

もう一つの理由は、一般民に、とにかく徳川政策を謳歌させるためには、土木の工を各地に起して、下層民へ金をこぼしてやるに限る。

今、城普請は全国的に着手されていた。その大規模なものだけでも、江戸城、名古屋城、駿府城、越後高田城、彦根城、亀山城、大津城――等々々。

二

この伏見城の土木へ日稼ぎに来る労働者の数だけでも、千人に近かった。その多くは、新曲輪の石垣工事にかかっているのである。伏見町はそのせいで、急に、売女と馬蠅と物売りが殖え、

「大御所様景気や」

と、徳川政策を謳歌した。

その上、

「もし戦争になれば」

と、町人たちは、機と利を察して、思惑に熱していた。社会事象のことごとくを、そろばん珠にのせて、