輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
みやもとむさし
宮本武蔵
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 185,809 字 · 369 頁
猛って……オオここへも聞えてくるわ、あの通りな厳談じゃ。――武蔵、なんとしやるぞ」
「……え、お杉婆が」
耳を澄ますと、なるほど、いつも変らない切口上と、きかない気の隠居の皺がれ声が、木枯らしの洩るように響いてくる。
叔母は、もう除夜の鐘もすんで、これから若水でも汲もうという元日早々、もし忌わしい血でも見るようなことになってはと、いかにも迷惑そうな顔を、露骨に武蔵へ見せつけながら、
「逃げておくれ、武蔵、逃げるのがなにより無事。今――叔父様が応対して、左様な者は立ち寄った覚えはないと、ああして婆を阻んでおいでなさる程に、その間に、裏口からでも――」
追い立てて、彼の荷物や笠を自分で持ち、叔父の革足袋と、一そくの草鞋を裏口へ置いてくれた。
武蔵は、急かれるままに、それを穿いたが、いい難そうに、
「叔母御、まことにご無心ですが、茶漬を一膳食べさせてくれませんか。――実は、宵から空腹なので」
すると叔母は、
「何をいいやる、それどころの場合かいの、さ、さ、これでも持って早よう行きゃれ」
白紙にのせて持って来たのは、五つほどの切餅だった。武蔵は押しいただいて、
「ご機嫌よう……」