輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新・水滸伝(しん・すいこでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 頁
「おん僧は、そも、どちらからお出でになられましたか」
「わが輩か。わが輩は見たとおりの旅僧さ。いってみれば、天涯無住だ」
「おそらくは、由緒あるお山のご高徳でいらせられましょう。ぜひ、一夕のお斎なと差上げて、ご法話でも伺いたいと申されますが」
「誰がよ」
「お奉行さまが」
「ははアん。じゃアいま先へ行った輿轎は、やはりここの奉行だったのかい。……どうもそんな臭いがと、思って尾けて来たんだが」
「何かお奉行へ御用でも」
「さればさ。ちょっくら会って、話したいことがあってね」
「それはまことに好都合です。お奉行はいたって仏心の深いたちで、有縁無縁によらず、旅の法師とみれば官邸に請じて、何がな布施のお徳を積まれるのが、まアお道楽といったようなお方。それでは、どうぞてまえとご一しょに」
と、案内に立つ。
こんなうまい機ッかけがあるはずのものではない。けれど魯智深は、渡りに舟とよろこんでしまった。――そして宏壮な一門に入って行く。すると当然、腰の戒刀と錫杖も「……お預かりを」という奥向きの侍に、つい預けるほかなくなってしまい、丸腰となって、さらに中廊下を深く一殿の内へ通された。