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しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新・水滸伝(しん・すいこでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 頁

青空文庫

はれもの医者の安先生、往診あって帰りはない事

食がすすまず、微熱がある。

――で、ついにその日は司令部の幕舎のうちで横になってしまった。謹厳な彼として、陣中、昼の臥床に仆れるなどは、けだし、よくよくであったらしい。

すると、幕門の衛兵長、張順が入って来て、しきりに彼をよびおこしていた。

「総統総統。ただいま、軍師の呉用大人と、先ごろ梁山泊へ入った関羽の子孫の関勝とが、二人づれで、戦場のご報告にとこれへ見えましたが」

聞くと、宋江は刎ね起きて、すぐさま軍衣の容をただし「――これへ」と、つねのごとく、呉用と関勝の二人に会った。

関勝は、まず詫びた。自分がすすめた出兵なのに、今日までなんらの功も挙げえないでと、恥じるかのように言ったのだ。――すると、呉用はそのそばから、

「いやいや、宋先生、さすがは関勝でした、賞めてやっていただきたい。じつは昨夜来の戦いで、敵を南門外におびき出し、関勝は、敵の急先鋒索超を手捕りにしたばかりでなく、索超を説いて、われらの仲間へ入ることを承知させた。――功がないどころか、見上げたものです。やはり関羽の末裔関勝だけのものはある」

と、報告した。

「それは、すばらしい」

宋江もよろこんで、共に、彼の軍功を賞めたたえたが、どうも調子がへんである。