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しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新・水滸伝(しん・すいこでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 頁

青空文庫

秋を歌う湖島の河童に、百舟ことごとく火計に陥つこと

そんな芸では、小いせえ、小いせえ。まあ、この公孫勝の手なみのほどを見物してからにしてください」

晁蓋はさっきから黙っていたが、このとき呉用へ向って、初めてこう口を開いた。

「先生はご老体だ。それに筆と書よりほか、修羅場の中はご存知もありますまい。恐れいりますが、大事な荷物だけを小舟につみ、さっき小七の言った李家の四ツ辻とかの茶店附近へ漕ぎよせて、てまえどもが、後から行くのを待っていておくんなさい。そうだ、劉唐を付けてやります。おい赤馬、先生について、夜明け前にここを落ちろ。あとの心配はいらねえから、頼んだぞ」

秋を歌う湖島の河童に、百舟ことごとく火計に陥つこと

風は身が緊まるほど冷たい。水も空もまっ青に冴え切った秋の大湖だ。

湖は海のごとく、山東の河川を無数に吸い容れ、そしてまた山東の外洋へと、その漲りはどこかで吐き出されているらしい。

「アアあれだな。――いち早く石碣村を立退いて、奴ら七人が、隠れたと聞く浮巣のような島というのは」

真ッ先をゆく一艘の舳に立って、刑事頭の何濤は小手をかざしている。そのあとからは大小数十隻の捕盗船が、舳に官旗をひるがえし、捕兵の弓や矛や刺叉を満載して、白波を揚げながら迫ッて行く。