輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新・水滸伝(しん・すいこでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 頁
と泉楼の一客室へみちびき上げた。
あらたまって、名のり合う。名のるまではなく、いずれもその人となりその名声は熟知し合っている間なのだ。
「時に、なんとも思いがけないご来訪ですが、そもそも、こんな僻地へのご旅行とは、何か、官命のご出張でもございますのか」
「いや、おあるじ、笑って下さい。じつはこの宋江は、押司の職にもあるまじき大罪を犯し、県城の椅子や家郷の老父も捨てて、ぜひなく落ちて来た漂泊い者でござりまする」
「ほう、君子の風があるといわれているあなたがですか」
「しかも、つまらぬ女にひッかかって、情痴にひとしい過ちから」
「はははは、それは愉快だ。あなたにしてさえ、そういう色事があったとは」
「愉快どころではありません、過失ではありましたものの、じつは女殺しの科を犯して、諸州に人相書まで手配され、一身、置き場もない者です」
聞くと、柴進はいよいよ相好をくずして、むしろ一そうな親しみさえ見せだした。そして宋江がやがて打明けた一切の事情にも、何ら冷たい風はなかった。
「そうですか。仔細を伺ってみれば、いよいよもって、あなたらしいご失策だ。いやしかし、これが生涯の破れか開花かは長い目で見なければわかりません。