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しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新・水滸伝(しん・すいこでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 頁

青空文庫

と大言を払ったところから、人呼んで鎮三山のあだ名が呈せられたわけである。

「こりゃ黄信。きさまは日頃、乃公出デテ三山ニ鬼声ヲ絶ツ――などと大言を吐いていたが、なんとしたこと、これを見ろ」

慕蓉は言って、劉高からの上訴の状を読んで聞かせた。そしてこう命じたのである。

「山窟の賊が、鎮台の将と内通しているような紊れでは、まるで無政府同様なざまではないか。すぐさま赴って、黒白をつけてまいれ」

黄信の豪傑がりも、かたなしである。「はっ」と恐懼してひき退がり、即刻、官兵百人の先頭に立ち、馬上、金鎧長剣の雄姿を風に吹かせて、夜どおし道をいそぎ、やがて清風鎮の鎮台大路、劉高の公邸の前でまず馬をおりた。

待ち伏せる眼と眼と眼の事。次いで死林にかかる檻車のこと

「なんとも、このたびは恐縮にたえません」

文官劉高は、元々社交性には富んでいる。武辺一徹な黄信を、公邸の貴賓室へ通して、あくまで恐れ入って言った。

「われわれどもの、地方民治がいたらぬ結果、官辺のご出張をわずらわし、為に、夜どおしのご急下を仰ぐなど、赤面の至りでございまする」

彼の妻女もやがて盛装して、賓客にまみえ、その夜は夫婦しての歓待だった。