輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新・水滸伝(しん・すいこでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 頁
蔡九は、宋朝廷の権臣、蔡大臣の息子なのである。そこへのご機嫌伺いを、せっせとやっている魂胆をみても、彼の腹はわかるというもの。
しかしこの黄文炳の評判はすこぶるよくない。多少の学をはなにかけ、下の者にはふんぞり返り、上には媚態おくめんなしという型の男である。それが今日もまた、奉行官邸へ伺候していたが、折ふし蔡九から、
「今日は大城の宴会で、ちと忙しい。晩にでも来い」
といわれ、黄は、いちど船へ引っ返していた。そして午すぎ頃、何の気なしに、江畔の潯陽楼へ上がって、
「おいおい、ほんの一杯だ。こってりした肴はいらんぞ。あとは茶漬でな」
と、横柄にいいつけていた。
金づかいは吝な客だが馴染みは古い。またそれを腹勘定に入れているこのお客さまだ。やたら小女にまで威張り散らしていたが、ふと白壁の書に目をとめて。
「おお、何だと。……少年、はやくに経史を学び、長じて、心に謀をえがくも? ……」
黄は、太い鼻息でうめいた。
「何、何。……このうらみ、この嘆、もし年ありて再び来らば、潯陽の水を紅に。……だれだろう。こんなものを恐れもなく書いたやつは、これは謀反の詩ではないか。