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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新・水滸伝(しん・すいこでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 頁
「とっくに山上でございますよ」
「ちと、遅かったか」石秀は足をはやめた。
谷も、鳥の声も、目の下に沈む。
「おう、兄貴」
「やあ、来てくれたか、石秀」
「待たせたらしいな。すまない、すまない。が、どうなすったんです。義姉さんは」
「巧雲か」
「どこにも見えないじゃございませんか」
「いや来ている。いま会わせるよ。……が、まず寂かな景だ。一杯、息やすめに飲まないか」
「麓で轎舁きたちも飲んでいた。じつあそれを見てから、急に喉がグビついていたところでさ。一杯いただきましょうか」
岳廟の前に並んで腰をかけ、楊雄がたずさえて来た二箇の瓢酒も、たちまち二人でカラにした。
「どれ……」と、楊雄はさきに腰を上げ、「じゃあ、石秀。巧雲に会ってもらおうか」
「お。どこにいるのか」
「この裏だ」
数歩。――石秀はそこで、ぎょッと立ちすくんでしまった。
巨木の幹に、半裸とされた女が縛り付けられている。
巧雲だ。すこし離れて、小婢の迎児も縄目のまま、灌木の中に打ッ抛らかしてある。
「兄貴、いったい、これは? ……」
「約束どおりさ、巧雲から君へあやまらせるのだ。……ここまで、女房を連れ出すにも、なかなか、なんのかのと言い渋るので手拈ずッたが、俺の夢見に二タ晩も岳廟の神があらわれて、きょうまでの魔邪は水に流し、以前の夫婦仲を誓い直せと、お告げあったから行こ