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しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新・水滸伝(しん・すいこでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 頁

青空文庫

庭ハ幽ニシテ夕ニハ接ス五湖ノ賓

戸ハ厰ニ朝ハ迎ウ三島ノ客

と、左右一行ずつの詩句が読まれる。

「……おい、お客さんよ。そんな顔して、その聯が読めるのかね」

門を掃いていた宿の若い男が言った。

「読めなくてさ……」と、いまいましげに、楊雄が逆にたずねた。「なかなかいい書風だが、これは一体誰の字だい?」

「祝朝奉さまのご直筆だよ」

「書家かね」

「冗談じゃない。このあたり三百里四方きッての、荘のおあるじだアね。つまり地頭の大旦那さまだ。よく拝んでおきなせえ」

「はははは。こんな宿屋は初めてだ」

三人は笑いながら部屋へ通った。おおむね当時は自炊ときまっていた。米、味噌、肉、菜、飲みたいだけの酒、すべて現金買いである。

それを旅籠で借りた鍋釜で煮炊きする。

――楊雄はさてと、巧雲の髪から抜き取ってきた釵を出して、前払いの物代とした。そしてさっきの若い男が何か面白そうなので、それをも加えた車座の四人でやがて飲みはじめた。

するうちにふと、石秀は、妙な物に目がつきだした。――厨房(料理場)へ入るてまえの細土間に、ずらと野太刀が十数本ならべてある。気になって仕方がないので、つい若者に訊いてみた。