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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 192,758 字 · 383 頁

青空文庫

の軍隊に所属と位置を与えていた。

また、どこの使者か、どこから帰って来た使番か、寺中と外との往来も頻繁だった。その中には、どこかで見覚えのある武士もあって、

「はてな。今のは丹後の細川家の士ではないか」

と、瀬兵衛は、ひとりの背を見送って、呟いた。

光秀と細川藤孝、その子忠興との関係は密接である。藤孝と光秀とは、多年、莫逆の友たるのみならず、光秀のむすめの伽羅沙は、忠興の妻でもある。

(細川家から何の使いを?)

これは今ここにある二人の関心であるばかりでなく、天下の衆目がみな強く意識している問題だった。――瀬兵衛のつぶやきに和して、右近もふとこう疑った。

「昼寝と申していたが、実は筑前はもう眼醒めておるのではあるまいか。何にしても、余り無愛想な」

不満を顔色に現わして、すでに帰ろうかとすら思っているとき、ようやく、秀吉の小姓が走って来て、どうぞと、狭い禅庵の奥へ案内に立った。

通された一室にも秀吉は見えなかった。しかし疾うに目醒めていることは確実である。方丈かどこか近い所で大きな笑い声がしているからだ。かかる応対をうけるのは、中川瀬兵衛にしても高山右近たりとも甚だ心外らしかった。