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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 187,757 字 · 375 頁

青空文庫

すでに七千のうち、半数以上の脱走者を出し、残る者も足が地についていないのである。加うるに彼らはすでに自己の総帥にたいする信頼を失っていた。ひとたび下からの畏敬なき馬上におかれては、鬼柴田の号令といえ、ついにうつろな空声に帰せざるを得ない。

「ああ。勝家も終りよ」

打っても響きのない士気をながめて、今はいかぬと、彼も覚った。しかし、彼自身の猛気は反対に彼に最後の死にもの狂いをちかわせた。夜は白々と明け、疎陣、人馬の影もまばらだったが――。

狐塚の地と、指呼のあいだに対峙していた羽柴軍の第一陣地――堀秀政の東野山の兵も、今朝になって、ようやく、動くところあらんとしていた。

勝家の主力が、この方面へ出たのも、要するに、その優勢な敵第一軍の牽制にあったのだから、勝家としては、その目的は達していたといってよい。

しかし、堀秀政ともある者が、この要地に、大兵を擁しながら、甘んじて、その陣地に釘付けにされていたのは、秀吉側から見れば、甚だ遺憾なりともいえよう。

一説には、こういうことも伝えられている。

当初、秀政は、直ちに積極的な攻撃を計ったが、その臣堀七郎兵衛なる者が、