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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 187,757 字 · 375 頁
毛受家照
敵も、バチバチ撃ってくる。
しかし、至って断続的だ。弾の密度も少ない。しかも外れ弾が多いのである。
「槍組っ。駈けこめ」
小川佐平次は、その槍手たちと共に、馬を躍らせて、銃隊の先へ出た。
――敵は脆い。槍でよし。
と、見たからである。
堀本隊が、それに後れているはずはない。小川隊が、今市の町の焼け跡から迫って行くのを見ながら、堀麾下の各隊は、山沿いに突撃し、狐塚の直前で、はや激戦に入っていた。
堀監物、堀半右衛門、堀道利など、組々の下にある士たちが、背の指物を低く屈めて、敵中ふかく突きこんでゆく姿が、おちこちに認められる。
辰の下刻(午前九時)だった。
時刻で見ると、湖西の対岸を急進撃して来た秀吉軍が、ちょうど茂山の前田父子の陣前に迫った頃――であった。
彼方の西方にも塵煙濛々の大喊声。ここにも、新たに起る鬨の声の潮。――かくて、余吾の湖を抱いて、全羽柴勢はまもなく東西相結ぶ形を示していた。
それに反して、狐塚の軍は、この一衝撃に会しても、まったく戦意が盛り返されて来ない。
前哨の散兵陣地、尖角陣地、第二陣地、ほとんど一溜りもなく押し崩され、中軍の寺院附近は、それらの為すなき将兵や馬のいななきで埋まっていた。