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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 187,757 字 · 375 頁
この夜、北ノ庄の城中では、最後の饗宴がひらかれていた。本丸天守の内には、勝家と夫人、その女子たちを中心に、一族股肱の歴々をあわせて、八十余名、咫尺の外に敵軍をひかえながら、燭も明々と居流れていた。
「こうひとつにお揃いのことは、元日の御祝賀でもないことよの」
中村文荷斎の言に、これも一族の柴田弥右衛門が、笑って云った。
「明ければ、死出の元日。こよいは、この世の大つごもり……」
燭の数も、人々の笑声も、日頃の宴とちがうところはない。ただ鎧具足の列座であるだけが蕭殺たる気を漂わせていないこともない。
そのなかに、夫人お市の方と、妙齢十七を頭とする三人の息女たちの粧いが、何かあり得ないものがあるようで、鮮らかで、また余りにやかであった。
わけて、十一という末姫が、膳部の馳走や人々の賑わいにはしゃいで、喰べちらしたり、姉に戯れたりしているのを見ると、死もよそに酒宴している武骨の輩も、折々、あらぬ方へ眼をやりがちであった。
勝家も、すごしていた。何遍となく、誰彼へ、杯を与え、
「玄蕃も、おらば」
と、ふと淋しさをもらしたが、たまたま、座中で玄蕃允の失敗を悔やんでいる者の言を聞くと、却って、