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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 187,757 字 · 375 頁
たものぞよ。……世間の衆は、あの子をみるたびに、餓鬼とよび、筑阿弥どのが家に帰れば、穀つぶしめ、穀つぶしめが、と罵ったものじゃが、育ちざかりじゃ、むりはなかった」
「…………」
「寧子よ。そなただけぞや。このような打ちあけた古事を語るのは。――生涯、あれに添うてくださる妻と思えばじゃ。あの子を、……いえのう。そなたの良人を、天下一、大きゅうなさるも、小さくなさるも、蔭にいてたもるそなたのお心ひとつと、真実、この老母まで恃みにしているためと思うてくだされよ」
「…………」
ふたりには、土が見えているのであろうか。ふたりの手と棒のさきは動いているが、あたりは梅のつぼみも凍るかのような寒さと夜の闇になっている。
「……が、寧子よ。わしは今でもよいことしたと思うています。そのような乏しい中にあの子を育てはしたが、わが身は常にこういうて聞かせていた。――日吉よ、さもしゅうなって下さるなや。人は心次第で、物など今にどうにでもなる。かりそめにも、物の下に自分を置くな。時により、貧しい月日を送る日とて、心は高く、物の上に置いてたも。氏神のお子ぞ。お日様の生かしている人間じゃぞよ。