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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 187,757 字 · 375 頁
「北ノ庄かよ」
と、急に声を落した。真顔にである。
官兵衛が顔を解いて、頷き笑いをして見た時である。――夜となっても、まだ登城を伝えて来た。播磨飾西郡置塩の城主赤松次郎則房が、同苗弥三郎広英を伴って――という取次であった。
赤松の末流で中国土着の豪族たちである。秀吉が中国探題として、ここに臨んで後、織田に属し、自然秀吉に随身して来た輩ではあるし、かつは、黒田官兵衛にとっても、家系の主筋にあたる人々。替ってそれらの有縁を説いて、秀吉の麾下にまとめたのも、専ら官兵衛の働きにあったことなので、
「それはよい折へ」
と、ばかり迎え入れて、さらに新規の客膳が増えた。やがてまたこれへ三好武蔵守が加わる。蜂須賀彦右衛門父子も交じる。在城の近臣の――あれも来い、これも来い、となって、いつかここの広間は、賓主従一堂の花畑のような盛会となっていた。
――寧子と老母の旨をふくみ、折々伺いに来た奥の使いも、この旺なる男の集まりを覗いては、秀吉の耳へ、それを伝えるすべもなく、ただ喞ち顔に、行きつ戻りつしていた。
――ようやく、奥へひきとって、秀吉が眠りについたのは、その夜も子の下刻頃(午前一時)であった。