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にほんイデオロギーろん
日本イデオロギー論
戸坂 潤
線上閱讀戸坂 潤《日本イデオロギー論(にほんイデオロギーろん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 263,376 字 · 511 頁
だから、つまり之はこの遠隔距離を、観念論で埋めるということに他ならぬ。――処が之に反して車輪の転回の場合には、目標からの引力などとは関係なく、車輪が地についているその瞬間々々の方向切線に沿った押す力か圧力か(之は大衆や客観的事情の力だ)だけを問題にすればよい。車輪は初めから回転しているのであって、車輪の次々の部分が順次に地上に実現して行くのである。理想や目的は、それ自身としては与えられていないので、専ら車輪の順次の部分の云わば積分として事情の進展に応じて実現可能を約束されるにすぎない。歴史の軌道はかくして描かれる。車輪は地について転ずるものである。之に反して自由落下物体は虚空を飛ぶものだ。歴史の認識に於ける唯物論的方法と観念論的方法とが、この譬喩によって、よく対比されてはいないか。
発展の説についても車輪説は巧みである。例の糸巻き説であると、糸巻きの心棒というものが永久に、発展が終るまで、いつまでも絶対的な始源になって残らねばならないわけで、歴史はどんなに発展してもつまりはこの糸巻きの圏外へは出られない仕組みになっている。之だと発展ということは実はやがてそっくり元に還ることに他ならないので、アリアドネーの糸巻きがこの説の秘密をよく物語っている。