輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
もめんいぜんのこと
木綿以前の事
柳田 国男
線上閱讀柳田 国男《木綿以前の事(もめんいぜんのこと)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 177,586 字 · 348 頁
がその語原を「乞ふ」という動詞と同じくしていることは、多分もう誰かが説いていることと思う。単語はいずれの場合にも時と社会との事情によって分化するものであった。一方の「乞ひ」が終始我々の挙動の種別としてしか用いられず、はかばかしい語形の変化をも示さなかったに反して、この男女の仲らいに限られた「こふる」という一語のみは、用途が区々であり記憶と想像との必要が多かったために、夙く名詞を生じ、またややおくれて形容詞化した。しかも有る限りの人間が、止めどもなくこの一語を使役していたのである。部落が恋愛のただ一つの活動場であり、妹と背は朝宵に袖を連ね、面を看かわして過し得る人生であったならば、恋と名を附して考えなければならぬ場合もすでに少なく、まして恋しきという形容詞などは、新たに作り出す機会とても無かったろう。ところが是と全く反対であったのが我々の歴史である。男の仕事は野山にあり海にあり、または遠々しい旅の空にあった。そうでなくとも若い人たちは、前の家刀自が家を支配する限り、昼は別れて山鳥の生活をするように、日本の婚姻制はできていた。恋が何ものよりも豊富なる文芸をもって、詠歎せられた原因の主要なる一つは爰に存する。